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日々の破片

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2007-04-19

_ 読み直すとちょっと印象が違う

JavaからRubyへ ―マネージャのための実践移行ガイド(Bruce A. Tate/角谷 信太郎)

来た来た来た来た、青いカヤックが来たぞ。

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献本ありがとうございます。

早速ですがタイポ。P.141の真ん中へん「目端の利くな開発者たち」。どうみても「な」が余分です「な」。

さて、以前、メールベースでレビューしたときの印象から、いろいろな読み方ができる楽しい本だが、おれには役に立たなかったな、とか書いたけど書籍として図版が適切な位置に挿入された状態で読むと、またちょっと印象が異なる。

多分、おれの予想だが、この本を読む人間の半数以上は開発者側だろう(違うと、この本はすごく読まれたということになり、それはハッピーだろうけど)。で、これはおれの憶測ではあるけれど、彼らのほとんどが、この本を読んで次々と繰り出される図表の数々や大きなバレット付きのリストに大きな疑問を持つはずだ。これは一体、何を表現しているのか? これは単なる絵(文字を使わずに線で描いたポエム)ではないか?

その疑問は、論理的には正当なものだ。しかし、実務的には愚かな疑問、つまり愚問だ。

つまり、これこそ(開発者以外の)人々が求めるもの、可視性とか見える化とか、ヴィジュアライズというものだ。つまり、ここにはコードがある。

ブルース、さすがだぜ。

したがって、この本は図らずも、人を説得するための技法を駆使した紙媒体というものを、それまでそういったものを注意深く避けて通ってきた開発者に教える本になっている。

つまり、この本に価値を見つけることができない開発者というものは、「リファクタリング? ああん? 動くソフトウェアに手を入れるのはバカがすることですな」と小汚い取り敢えずバージョンのソースコードを良しとする人間と同程度に、コードの読み取り能力の不足を露呈していることになる。

奇書だ。

それはともかく、あらかじめ付けてある結論へ向けて、じわりじわりと分析っぽいもので周りを固めてその方向が正しいということを納得させるために巧言を弄する(虚言じゃないのは、実際にRailsが使えるからだが)技術というのは、やはり他でもなく「技術」なのだ。したがって、この本からそういう技術を学ぶことはできると思う(そこにコードの読解力が求められる)。

そして、なんであれ、技術を駆使して書かれた作品はおもしろいのだ。つまり、やっぱり、この本はおもしろい。

と、偉そうに読み方を指南しているおれにとって役にたったのかと訊かれると、うむ、おもしろかったと応える。

途中でふざけたことを書き始めてしまったが、まじめな話、戦略というのは、この本の書かれ方そのもののように立てて、この本の書き方のようにして記述するのだ。RailsやRubyの能力を知っていたり、あるいはJavaの良い点、あまり良くない点を知っていれば知っているほど、技術的な面から裏打ちされた読み方ができる。つまり、この本の裏の部分、戦略のメタな部分を読み取ることが可能なはずだ。こういった戦略的な本を裏から読むことができるということは、比較的簡単にどうやって戦略的な文書を書くのかという方法論を学ぶことができるということだ。この本を開発者が読むとした場合、そういった面からの価値が実際には大きいと思う。


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