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日々の破片

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2025-01-03

_ 巳年の白蛇伝

本邦最初の総天然色長編マンガ映画と銘打っている『白蛇伝』を観た。確か父親が母親と見に行ったというようなことを聞かされた覚えがあるから生まれる前の作品でこれが初見。

予告編と東映社長(当時、株主向けとしか思えない国際的競争力の話をする)の挨拶の後に本編が始まるが最初は影絵調ののんびりした昔話だが我慢しているとアニメ(当時は「マンガ映画」と社長が呼んでいて、でもスタジオにはAnimationとあって妙な外来語よりもカタカナ使っても日本語(マンガは漫画の異表記)を使う筋が気持ち良い)になる。

物語は牡丹燈籠と人魚姫の合成みたいだが落着させ方の捻りがおもしろい。妖精にとっての罰とは。

スタッフのクレジットでは大塚康生が目立って(知っている名前だからかも)、なるほどパンダコパンダっぽいパンダとレッサーパンダが大活躍してかわいい。何しろ、飼い主というか親分というかを探してはるばる蘇州(なぜ蘇州? というとおそらく日本人に馴染み深いからではなかろうか)まで旅する。

パンダの名前がパンダなのはともかくレッサーパンダがやたらと痩せていてほとんどカワウソみたいで(名前もメーメーみたいな妙な名前だ)存在は知っていても見たことないだったのだろう。当時はかんかんらんらん前なので日本人でパンダを観たことがあるのは、よほど深中国へ潜り込んだスパイ(というよりも間諜)くらいしかいないのではないか? と思った。パンダも妙に小さくて可愛い(が、街のちんぴら大将の豚をやっつける凄まじい打たれ強さがあったり)。

驚くのは宮城まり子と森繁久彌が声色変えまくって、たった2人で全部こなしているところだ。なぜか2人とも東宝なので、東映はよほど人材不足なのか、それともマンガ映画とかやってられるかと俳優部門に蹴られたのか謎だ。ちょっと3人で13人分こなすソーイングビーを思った。日本昔ばなしもそうか。

まあまあおもしろかった。


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