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今回の指揮のトマーシュ・ネトピルは序曲から良い感じ。特にフーガに入るところが絶妙で期待が高まる。とはいえ、やはり1幕は退屈だ。
一方、前回と同じく、ザラストログループ(今回は前の新自由主義者の巣窟というよりも、アカデミアっぽく感じたので悪い印象が薄れた)のパートが抜群。
また前回同様に、パパゲーノがいまいち違う感じがして、特にパパパがどうにも盛り上がらない(ここがこの劇で一番好きなシーンなのだが、この演出では、炎と水の試練の入り口のパミーナとタミーノの和解が一番の盛り上がりとなり、しかも抜群に良い)。
結局、演出の構造からパパゲーノグループはザラストログループの手の上で踊らされている感が強過ぎるのが、音楽にも反映されているとしか思えない。あと、このパパゲーノは笛(タミーノと違って自分で吹いている)と歌の間合いの取り方のせいか、最後の音が最後まで持ち上がらないのが、歯切れの悪さを助長している。
夜の女王は最初のほうは微妙だが、最後のザラストロトロトロの歌は堪能した。
あと3人の童子がとても良かった。この3人は一体なんなのだろう? あくまでも中立な立場で人に優しくする役回りなのだが、生まれてこなかった子供たちなのかなぁ。
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