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日々の破片

著作一覧

2004-07-13

_ スカンジナビア

チャーチャチャー……

プラハからの手紙☆PLUS(パンタ)

デンマルク、ノルウェー、スェーデン+フィンランド

なんか良くわからない謎の国々である。辺境のようで辺境でない。

確かにいつか行ってみたいなスカンジナビアだなぁ。しかしフィヨルドに囲まれた暮らしも悪くないかどうかはさっぱりわからないが。悪くないと言えば砂漠に囲まれた暮らしも悪くないかも知れない。でも粘土砂漠は悪そうだが。

ストロウストラップとかリヌスとかヤンソンとかニルスとかカウリスマキとかシベリウスとかアンナカリーナとかノキアとかグリーグとかアンデルセンとかベルグンドとか固有名詞は結構出てくるのだが、わかっているようでわかっていないし。

もうちょっと南下したドイツもいつの間にか随分遠くなってしまったようで、僕にはクリスチアーネFとファスビンダーあたりが最後のようだ。そう言えばクリスチアーネFの慣れの果てが出てくる映画を見たがあれはなんだったけかな。ラースフォントリアじゃないし。ベルリンのローザフォンなんちゃらかなぁ。

deをdkを最初取り違えてなんとなくそんなことを思った。

_ 失敗者

高橋悠治|コレクション1970年代 (平凡社ライブラリー (506))(高橋 悠治)

失敗者というのは、未完成のまま次々と次を作る人のことと定義する。ここではバッハがそれにあたる。

煙草を吸うように映画を撮ったファスビンダー(40本以上撮ったということは年に2本近く撮っていたということだ)も当然、この系譜に入ることになるだろう。

逆に成功者というのは、完成させる人のことで、ベートーヴェンがその筆頭になるのかな。小津もこっちの系譜だろう。ある時点で完成してしまうから、その後は安定した(良質でなければ成功ではないので当然ながら非常に高品質でもある)完成品を定期的に生産可能となる。

ここでの失敗者という妙な言葉は、looserの高橋悠治的な言い回しと考えてみれば、確かにファスビンダーが失敗者なのは間違いないのは、そこで語られるのは敗者達だからだ。

失敗者という言葉を使うことで、勝敗とは異なる観点から見直すことができる。そこにあるのは、敏感に時代の流れに耳を澄まし影響を受け次々と新しいことに挑戦し過去を捨てたり拾ったり漁ったりしながら膨大な実験を積み重ねていく行為である。その過程は極めて豊かあり、生産物は非常に多い。無いのは完成だけだ。

膨大な積み上げということから、突然ゴミおばさんとかゴミおじさんとかを想起すると、まったく異なる側面も見えてくるわけだが。

だが、ゴミおばさんと「失敗者」の相違は、前者は捨てることが出来ないのに対し(その意味では逆に成功者である)、失敗者は平然と捨ててしまうことだ。なぜ捨てられるかと言えば、いくらでも次を作ることが可能だからだ。

かくして陰極まれば陽となるような制御の反転が生じる。失敗者というのはその定義から多様な生産者となる。

技術は失敗者の手によって作られる。ということだ。

_ 失敗者(続)

ふーん、意識してなかったが、微妙に互換性とからむな。

失敗者は幾らでも生産できるから、腐れAPIだなと感じたら(腐れ設定ファイルだなでも良いが)やーめった、と放り出して非互換な次のやつをこしらえる。

成功を夢見て追従してきた人達は変化を前提としてないから古びた以前のものと、合わせるためには相当手数が必要となる(検証量も増えるし)新しいやつに乗り換えるべきかで困ってしまう。

だが失敗者はまったく気にしてくれない。だって気にする必要は無いからだ。手を動かせば解決するわけだし。そして失敗者は手が早いのだ。

まるで槍を持つこのような人のようだ。


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